「こどもNISA(仮称)」をどう使うか考えてみた
※本記事は、来年度から始まる予定の制度内容をもとにした整理・考察記事です。正式決定前の情報も含まれるため、最新情報は必ず公式発表をご確認ください。
はじめに|「こどもNISA」という考え方
来年度から、新NISAの積立投資枠の年齢制限が撤廃される予定です。
これにより、0歳から17歳までの未成年も、新NISAの積立投資枠を使って投資ができるようになります。
俗に「こどもNISA(仮称)」と呼ばれていますが、実際には「特別な別枠制度」というより、新NISAの積立投資枠を未成年にも開放するイメージに近い制度です。
この制度は、「教育資金 × 長期投資」を考えるうえで、かなり使い道が広いと感じています。
制度の概要(予定)
まずは、現時点で想定されている制度内容を整理します。
①積立投資枠の基本条件
年間投資上限:60万円(月あたり最大5万円)
生涯投資上限:600万円投資可能
年齢:0〜17歳引き出し可能年齢:12歳以降
通常の新NISA積立投資枠と仕組みは同じで、「誰の名義で、いつから積み立てるか」がポイントになります。
②引き出しは12歳から可能
この制度で特に重要なのが、12歳から引き出しが可能という点です。
つまり、中学高校大学受験、私立進学、習い事や留学といった、教育費が一気に増えるタイミングで使うことができます。
以前あったジュニアNISAと違い「18歳まで引き出せない」制度ではないため、学費・教育費のための実用的な資金準備として考えやすいのが特徴です。
③学費目的なら「いつ使うか」を先に考える
こどもNISAを考えるときは、「いくら増やすか」よりも、いつ使う予定かどのタイミングで取り崩すかを先に考えるのがおすすめです。
たとえば、小学校までは積立だけ中学入学後から一部ずつ取り崩す高校・大学費用の補填に使うといった形で、時間軸を意識した運用ができます。
④投資対象はシンプルでOK
投資対象については、通常の積立投資と考え方は変わりません。
オルカン(全世界株式)や、S&P500(米国株式)この2択で十分だと考えています。
理由はシンプルで、長期投資との相性が良い、商品の中身が分かりやすい、親が説明しやすい、実績とデータが豊富な点です。
「こどものお金だから特別な商品を選ぶ」必要はありません。
⑤こどもNISAのメリット
この制度のメリットを整理します。
・非課税で長期運用できる
新NISAなので、運用益は非課税です。
教育資金のように金額が大きくなりやすい用途では、非課税の効果は非常に大きくなります。
・少額・早期スタートができる
0歳から始められるため、月1~2万円といった少額でも、時間を最大限使った投資が可能です。
「時間を味方につける」という投資の基本を、そのまま活かせます。
・お金の教育にもつながる
中学生・高校生になった頃に、「このお金はどうやって増えてきたか」「なぜ値動きがあるのか」を一緒に話すことで、実体験ベースの金融教育にもなります。
これは、貯金だけでは得られない価値です。
⑥注意点・気をつけたいポイント
一方で、注意点もあります。
・元本保証ではない
当然ですが、投資なので価格変動リスクはあります。
使う時期が近づいたら、積立を止める現金比率を高めるなどの調整が必要です。
・家計を圧迫しないことが最優先
教育資金とはいえ、生活費生活防衛費親自身の老後資金を削ってまで積み立てるのは本末転倒です。
「余裕資金で、無理なく」が大前提です。
こどもNISAは「選択肢の一つ」
こどもNISAは、「必ずやるべき制度」ではありません。
ただし、
「教育資金を準備したい」
「長期投資を活かしたい」
「非課税制度を使いたい」
という家庭にとっては、かなり使いやすい選択肢だと思います。
まとめ 制度を知って、選べる状態になる
・新NISA積立投資枠の年齢制限が撤廃予定。
・年間60万円(月5万円)、合計600万円まで投資可能
・0〜17歳まで投資でき、12歳から引き出し可能
・投資対象はオルカンかS&P500で十分
・教育資金×長期投資の選択肢になる
大切なのは、「やる・やらない」よりも制度を知ったうえで選べることです。
この情報が、将来のお金について考えるきっかけになれば幸いです。
チョキンとチョキン。
