お金の知識中級編30 たった「年1%」が、将来の資産を大きく変える

投資の話になると、どうしても
「どれくらい増えるか?」
「どの商品がいいか?」
に目が向きがちです。

でも実は、長期投資で結果を左右する最大の要因のひとつ「手数料(コスト)」です。

年1%なんて大したことない。 そう思っていると、20年・30年後に 数百万円単位の差になって表れます。

この記事では中級者向けに、 手数料の正体・なぜ怖いのか・どこを見ればいいのかを 表と具体例で分かりやすく解説します。


投資にかかる「手数料」は1種類ではない

まず知っておきたいのは、 投資の手数料にはいくつかの種類があるということです。

手数料の種類内容発生タイミング
購入時手数料買うときにかかる費用購入時
信託報酬(運用管理費)保有中に毎日差し引かれる保有中ずっと
売却時手数料売るときの費用売却時
その他コスト為替手数料・信託財産留保額など状況次第

この中で、最も影響が大きいのが「信託報酬」です。


信託報酬が怖い理由は「毎日・複利で効く」から

信託報酬は、
・毎年1回まとめて払う
・請求書が届く
というものではありません。

毎日、少しずつ自動で引かれています。
しかも、複利効果を逆方向に働かせます。

具体例で見てみよう

条件ケースAケースB
運用利回り年5%年5%
信託報酬0.1%1.5%
実質利回り4.9%3.5%

この「1.4%の差」が、 長期ではとんでもない差を生みます。


30年後、どれくらい差がつくのか?

毎年100万円を30年間積み立てた場合を比べてみましょう。

条件低コスト高コスト
実質利回り4.9%3.5%
元本合計3,000万円3,000万円
30年後の資産約6,600万円約5,400万円
差額約1,200万円

同じ投資、同じ期間、同じ元本。
違いは「手数料」だけです。

これが、 「手数料は確実に負けるコスト」 と言われる理由です。


中級者が必ずチェックすべき3つのポイント

信託報酬は年0.2%以下が目安

インデックス投資なら、 0.1〜0.2%台の商品は十分にあります。

「実質コスト」を確認する

信託報酬だけでなく、 運用報告書に載っている実質コストを見るクセをつけましょう。

長期前提の商品ほどコスト重視

10年・20年・30年持つ商品ほど、 コストの差が致命的になります。


なぜ高コスト商品が今も売れているのか?

理由はシンプルです。

  • 内容が分かりにくい
  • 「安心」「プロにお任せ」という言葉
  • 銀行・保険会社にとって利益が大きい

高コスト商品ほど、
売る側にメリットがある構造になっています。

中級者はここを一歩引いて見られるかが分かれ道です。


低コスト=万能ではないが、最優先事項

誤解しやすい点として、

  • 低コスト=必ず勝てる
  • 高コスト=必ずダメ

というわけではありません。

ただし、

  • リターンは不確実
  • コストは確実

という点で、 コントロールできるのはコストだけです。


まとめ:手数料は「静かに効く最大の敵」

  • 投資には複数の手数料がある
  • 最重要なのは信託報酬
  • 年1%の差が将来1,000万円以上の差になる
  • 長期投資ほど低コストが正義
  • コストは確実に減るリターン

派手さはありませんが、 手数料を意識できるかどうかが 中級者と初心者の大きな分かれ目です。


手数料って地味だけど、ずっと一緒にいる存在なんです。 小さく見えても、長く続くと大きな差になります。 味方につけるなら“低コスト”!