お金の知識中級編25 不動産投資は「お金持ちの世界」だと思っていませんか?

「不動産投資」と聞くと、 何千万円もの物件を買うイメージを持つ人が多いかもしれません。

でも実は、数万円から不動産に投資できる仕組みがあります。 それが REIT(リート/不動産投資信託) です。

REITは、株式や投資信託と同じように売買でき、 家賃収入をベースにした安定的な分配金が特徴。

この記事では、中級者向けに REITの仕組み・メリットとリスク・向いている人を 表を使って分かりやすく解説します。


REITとは「みんなで不動産を持つ仕組み」

REIT(Real Estate Investment Trust)は、 投資家から集めたお金で不動産を購入・運営し、 その収益を分配する金融商品です。

流れを整理すると、こうなります。

ステップ内容
① 投資家がREITを購入証券会社で株のように買える
② REITが不動産を購入オフィス・商業施設・住宅など
③ 家賃収入が発生テナントから賃料が入る
④ 分配金として投資家へ還元定期的に現金がもらえる

つまりREITは、 「不動産の大家さんを少しずつ体験できる仕組み」 だと考えると分かりやすいです。


J-REITと海外REITの違い

REITには、日本の不動産に投資するJ-REITと、 海外の不動産に投資する海外REITがあります。

項目J-REIT海外REIT
投資対象日本の不動産米国・世界の不動産
通貨外貨(ドルなど)
利回り3〜5%前後3〜6%前後
為替リスクなしあり

国内の安定性を取るならJ-REIT、 成長性・分散を重視するなら海外REIT、 という考え方が基本です。


REITのメリット

分配金利回りが高い

REITは、利益の大部分を分配する仕組みのため、 株式より高めの分配金が期待できます。

少額から不動産に投資できる

数万円で、複数の不動産に分散投資できるのは大きな魅力です。

株式と違う値動きをすることがある

REITは家賃収入がベースのため、 株式とは異なる動きをする場面もあり、分散効果が期待できます。


REITのリスクと注意点

安定的に見えるREITですが、リスクもあります。

リスク内容
金利上昇リスク借入が多いため、金利上昇に弱い
景気悪化空室増加・賃料下落の可能性
不動産価格の下落基準価格が下がる
災害リスク地震・火災などの影響

特に金利が上がる局面では価格が下がりやすい点は、 中級者として必ず押さえておきたいポイントです。


REITはどんな人に向いている?

タイプ向いている理由
分配金を重視したい定期的な現金収入が得られる
株式だけは不安資産分散になる
不動産に興味はあるが管理はしたくない手間ゼロで不動産投資
老後のインカムを作りたい年金+分配金の組み合わせ

逆に、短期売買や値上がり益を狙う人には不向きです。


中級者向けのREITの取り入れ方

  • ポートフォリオの10〜20%程度に抑える
  • まずはREITインデックス投信で分散
  • 高利回りだけで選ばない(財務健全性も重要)
  • 金利動向を意識する

REITは「主役」ではなく、 安定性を補う“脇役”として使うのが王道です。


まとめ:REITは“不動産収入を取り入れるための便利な道具”

  • REITは少額で不動産に投資できる仕組み
  • 家賃収入ベースで分配金が出る
  • 株式とは違う値動きで分散効果がある
  • 金利上昇・景気悪化には注意
  • 中級者は資産の一部に取り入れるのがベスト

REITは、不動産投資の「いいとこ取り」をした金融商品。 株式中心のポートフォリオに少し加えるだけで、 資産全体のバランスがぐっと良くなります。


REITは、不動産を少しだけ持つ感覚です。無理に増やさず、バランスよく使うのがコツですよ!