お金の知識中級編19 家は「買うべき?」「賃貸のまま?」永遠のテーマに決着をつけよう

ライフプランの中で、多くの人が最も迷うのが 「家は買うほうが得? 賃貸のままが安心?」 という問題です。

YouTube・SNS・不動産営業・FP… 発信する人によって答えが違うため、さらに混乱してしまいがちです。

しかし本質的には、 “損得”だけでなく人生の価値観で決めるべき選択 なのです。

この記事では、 コスト比較・メリットデメリット・向いているタイプ を中級者向けに整理して、あなたの判断がしやすい形にまとめていきます。


購入と賃貸は「どっちが安いか?」だけでは比較できない

まず大前提として、住宅は

  • 金融商品(資産)の側面
  • 生活の質(QOL)の側面

の両方を持っています。

そのため「どっちが得?」という1軸だけで比べるのは本質的ではありません。


まず「お金」の比較をしてみよう

以下は、一般的なケースで比較したものです。

項目購入(35年ローン)賃貸
初期費用頭金+諸費用(100〜300万円)敷金・礼金(10〜30万円)
毎月の支払ローン返済+固定資産税+修繕費家賃+更新料
老後の住居費ローン完済後は大幅に減る家賃を一生払い続ける
資産価値土地は残る可能性大資産は残らない
柔軟性低い(売却・引越しの負担)高い(自由に住み替え可能)

購入は初期費用が高いものの、 老後の住居費を大きく減らせるのがメリット。 賃貸は自由度が高く、ライフスタイルを変えやすいのが強みです。


「購入」のメリットとデメリット

購入のメリット

  • 老後の家賃が不要になる → 生活コストが大幅に下がる
  • 家が資産として残る(特に土地)
  • 間取り・設備を自由にカスタマイズできる
  • 住宅ローン控除で10年間の減税がある

購入のデメリット

  • ローン返済が重く、固定費が高い
  • 転勤・引越しがしにくい
  • 修繕費が必ず必要(マンションは修繕積立金が高騰中)
  • 売る場合の手続きが複雑

住宅を買う最大の強みは “老後の固定費を下げられる”点です。


「賃貸」のメリットとデメリット

賃貸のメリット

  • 引越しがラク → ライフスタイルの変化に強い
  • 初期費用が安い
  • 修繕費・設備の管理が不要
  • 地価変動のリスクがゼロ

賃貸のデメリット

  • 家賃を生涯払い続ける必要がある
  • 高齢になると借りにくいケースがある
  • 設備を自由に変えられないことが多い

賃貸最大の武器は“自由度”。 とくに若い世代や転勤族には相性が良い選択です。


あなたは「購入向き?」「賃貸向き?」

それぞれ向いている人の特徴を整理します。

タイプ向いている選択理由
転勤が多い賃貸住み替えしやすい
子育て環境を安定させたい購入転校リスクを減らせる
老後の固定費を下げたい購入家賃が不要になる
家にこだわりがある(間取り・設備)購入自由にカスタマイズできる
ライフスタイルが変わりやすい賃貸身軽に住み替えできる

よくある“間違った判断”に注意

  • 「家賃がもったいない」だけで購入する
  • 返済額ギリギリのローンを組む
  • 売却できる前提で買う
  • 賃貸=損 と決めつける

住宅は人生でもトップクラスの大きな買い物。 感情ではなく事実ベースで判断するのが中級者の姿勢です。


まとめ:住宅選びは“損得+価値観”で決めるべき

今回のポイントを整理すると…

  • 住宅は「金融商品 × 生活の質」のバランスで判断
  • 購入は老後の住居費を抑えたい人に有利
  • 賃貸は自由度・柔軟さを求める人に有利
  • 進路・家族構成・転勤有無で最適解は変わる
  • 損得だけでなく“生き方”で決める視点が大切

住宅問題は、正解がひとつではありません。 あなたの価値観・働き方・家族の未来によって最適解は変わります。


住宅って大きな選択ですが、正解は人によって違います。損得も大事だけど“どんな暮らしをしたいか”も大切にしましょう。