お金の知識中級編17 将来が「見える化」されると、お金の不安は一気に小さくなる

人生には、結婚・出産・住宅購入・教育費・老後など、 さまざまなライフイベントがあります。 でも、多くの人はこれらの“総額”をイメージできないまま、 なんとなく貯金をしたり、不安を抱えたりしています。

そこで力を発揮するのが、 「ライフプランシミュレーション」です。

ライフプランは、未来のお金を“見える化”して、 「このままの生活で本当に大丈夫?」 を把握できる最強の家計管理ツールです。

この記事では、中級者として知っておきたい ライフプランの考え方・作り方・よくある失敗例を 表をまじえてわかりやすく解説します。


ライフプランは“人生の地図”

ライフプランシミュレーションとは、 これからの収入・支出・貯蓄の流れを時系列で整理する作業です。

「今年いくら貯めたい?」ではなく、 「40年後にどうなりたい?」を起点に考えるのがポイントです。

イメージ内容
短期家計1〜3年の収支・貯金
中期プラン5〜10年の教育費・住宅計画
長期プラン老後資金の見通し

人生全体を見渡すことで、 「いま何をすべきか」がはっきり見えるようになります。


まずは“人生のイベント表”を作る

ライフプランの最初のステップは、 これから発生するイベントを書き出すことです。

年齢イベント費用(目安)
30歳結婚100〜300万円
35歳第一子出産50〜100万円
40歳住宅購入3,000〜5,000万円
55歳教育費ピーク年100〜150万円
65歳定年退職

1つずつ書き出すことで、 「どのタイミングで大きな支出が来るか」 がクリアになります。


次に“収入の見通し”をざっくり立てる

収入は「年収アップを過大評価しない」のがポイントです。

項目注意点
昇給控えめに設定(景気変動の影響大)
ボーナス最小値で計算する
副業収入固定収入とみなさない
投資収入過度に期待しない

中級者ほど楽観的になりがちなので、 あえて少し厳しめに見積もることが安定したライフプランにつながります。


“生活費”と“特別支出”を分けて考える

家計のシミュレーションでは、 毎月の生活費だけでなく「特別支出」の考慮が欠かせません。

種類具体例
生活費住居費、食費、光熱費、通信費、車維持費
特別支出旅行、家具・家電、保険料、車買い替え、教育費

特別支出は年に数回ですが、 1回あたりの金額が大きいため、 これを計算に入れないとシミュレーションが大きくズレます。


老後資金の「必要額」を把握する

多くの人が不安を抱える老後資金。 厚生労働省や金融庁の統計をもとにすると、 夫婦2人での生活には月22〜28万円が平均と言われます。

例として、こんな計算になります。

項目金額(例)
生活費(月)25万円
年金(夫婦)20万円
不足額月5万円

月5万円 × 20年間= 約1,200万円の不足

これが、よく言われる「老後2,000万円問題」の一部の根拠です。


ライフプランはあくまで“地図”であって予言ではない

ライフプランの目的は、未来を当てることではありません。 未来を想像して、準備の方向性を明確にすることです。

よくある失敗例は次の通りです。

  • 細かく作りすぎて挫折する
  • 楽観しすぎて収入を多く見積もる
  • 支出の大きなイベントを忘れてしまう
  • 一度作って終わり。更新しない

年に1回、ボーナス前などのタイミングで更新するのがおすすめです。


まとめ:ライフプランは「お金の不安を消す最強の武器」

今回の内容を整理すると…

  • ライフプランは人生の“お金の地図”
  • イベント・収入・支出を時系列で整理する
  • 老後資金まで見通すことで不安が軽くなる
  • 楽観しすぎず、特別支出も忘れない
  • シミュレーションは毎年更新する

ライフプランは、未来が漠然としている人ほど効果を発揮します。 「何を準備すればいいか」がはっきりするだけで、 お金の不安は驚くほど小さくなるものです。


ライフプランって、未来の地図を描くみたいですね。ゴールが見えると、いま何をすればいいか分かってきます。一緒に安心できる未来を作っていきましょう!。