お金の知識中級編28 インフレ時代に「金」が注目され続ける理由

株式や債券の話題が多い中で、 「金(ゴールド)」は少し地味に見えるかもしれません。

しかし、インフレ・地政学リスク・金融不安が高まる局面になると、 必ずと言っていいほど注目されるのが金です。

「金はなぜ価値を保ち続けるのか?」 「株とどう違うのか?」 「中級者はどう取り入れるべきか?」

この記事では、 金投資の役割・メリットと弱点・具体的な取り入れ方を 表を使って分かりやすく解説します。


金は「増やす資産」ではなく「守る資産」

まず大前提として、金は株式のように 企業成長で価値が増える資産ではありません。

金の役割は、

  • 通貨価値が下がったときの保険
  • 金融システムが不安定なときの逃げ場
  • ポートフォリオの値動きを安定させる

つまり金は、 「リターンを狙う主役」ではなく「資産を守る脇役」です。


なぜ金はインフレに強いのか?

インフレとは、簡単に言うと 「お金の価値が下がる現象」です。

金がインフレに強い理由は次の通りです。

理由内容
供給量が限られている簡単に増やせない
世界共通の価値どの国でも価値が認められる
通貨の代替になりうる法定通貨不安の受け皿

紙幣は増刷できますが、金は増えません。 この希少性が、長期的な価値の土台になっています。


株式・債券と金の違い

他の資産と役割を比較してみましょう。

資産期待リターン値動きの特徴役割
株式高い上下に大きく動く資産を増やす
債券低〜中比較的安定安定収入
低い危機時に強い資産を守る

金は利息や配当を生みません。 その代わり、他の資産が不調なときに力を発揮します。


金価格が上がりやすい局面

金は、次のような局面で評価されやすい傾向があります。

  • インフレが進行している
  • 戦争・地政学リスクが高まる
  • 金融危機・株価暴落時
  • ドル安局面

逆に、

  • 金利が高く、株が好調
  • 経済が安定している

といった環境では、金は目立たない存在になりやすいです。


金への投資方法は4つある

金投資には、いくつかの手段があります。

方法特徴向いている人
① 金投資信託少額・手軽初心者〜中級者
② 金ETF低コスト・流動性高中級者
③ 金地金(現物)実物を保有長期保有・安全資産重視
④ 金積立毎月コツコツ価格変動が不安な人

中級者には、 金ETFや金インデックス投信が コストと管理の面でバランスが良い選択です。


中級者向け「金」の取り入れ方

金は、ポートフォリオの一部として使います。

  • 比率は5〜10%程度が目安
  • 株式中心の人ほど効果が出やすい
  • 短期売買はせず、長期保有
  • 「上がるから買う」ではなく「守るために持つ」

金を持つことで、 暴落時のメンタル安定という大きな副作用(良い意味で)も得られます。


金投資でよくある誤解

  • 金は必ず上がる → 上がらない期間も長い
  • 今は高いから危険 → 長期では水準判断が難しい
  • 金だけ持てば安心 → 分散の一部として使う

金は万能ではありません。 「他の資産と組み合わせてこそ意味がある」資産です。


まとめ:金は「危機に強い保険」

  • 金は資産を増やすためのものではない
  • インフレ・金融不安に強い
  • 株式と違う動きをすることで分散効果がある
  • 中級者は5〜10%を目安に取り入れる
  • 長期・守りの視点で活用する

金は派手さはありませんが、 いざというときに資産を守ってくれる存在です。

ポートフォリオに少し加えるだけで、 将来の不安に対する耐性がぐっと高まります。


金はヒーローじゃないけど、ピンチのときに助けてくれる存在です。 少し持っておくだけで、安心感が全然違います!