お金の知識中級編21 共働きなのに「お金の話」でギクシャクしてしまう理由

共働き世帯が増える一方で、家計管理で悩む夫婦も多く、 実は お金トラブルの6割以上が「家計の分け方」が原因 と言われています。

・生活費はどう分ける? ・お小遣いは? ・口座は一緒?別? ・将来の貯金はどれくらい?

共働きは収入が増える分、家計が複雑になりやすいのが特徴です。 しかし、正しい仕組みを作っておけば 揉めることなく、スムーズに家計を回せるようになります。

この記事では、中級者向けに 共働き家計の分け方・おすすめ口座設計・注意点 を表を使ってわかりやすく整理していきます。


共働き家計の管理方法は大きく3パターン

共働きの家計管理は、次の3パターンに分類されます。

管理方法特徴向いている夫婦
① 完全折半型生活費を50/50で出し合う収入がほぼ同じ
② 収入比例型収入比に応じて負担割合を決める収入差がある夫婦
③ 片方の収入で生活・もう片方は貯蓄生活費は1人、もう1人の収入は貯蓄や投資に片方の収入だけで生活できる余裕がある

最も長続きするのは、②収入比例型です。 不公平感が減り、精神的にも負担が少なくなります。


収入比例型の例 ― 実際の負担割合はこう決める

収入比例型では、次の計算で負担割合を決めます。

例:手取りの月収が夫25万円 / 妻20万円の場合

項目
手取り月収25万円20万円
割合25 ÷(25+20)=55%20 ÷(25+20)=45%

毎月の生活費が20万円なら、「夫11万円・妻9万円」のように分担します。

これなら心理的な負担もバランスが取れやすく、 家計でケンカしない定番パターンとして人気です。


共働き家計は“3口座方式”が最強に使いやすい

お金の動きが複雑になりやすい共働きでは、 3つの口座を使い分けると管理が一気に楽になります。

口座目的使い方
① 共通口座生活費・固定費の支払い2人が毎月一定額を入金
② 個人の口座(夫)お小遣い・個人の買い物自由に使ってOK
③ 個人の口座(妻)お小遣い・個人の買い物自由に使ってOK

「共通のお金」と「自分のお金」が分かれることで、 無駄遣いの罪悪感や“監視されている感”がなくなり、夫婦円満になりやすい というメリットがあります。


固定費は“共通口座からの自動引き落とし”にする

共働き家計がうまくいくポイントはただ一つ、 「手動の作業をなくす」こと。

特に固定費はすべて共通口座から自動引落しにしておくと、 毎月のストレスが消えます。

項目共通口座から払うべき?
家賃 / 住宅ローン
光熱費
通信費(Wi-Fi)
食費
日用品
生命保険家庭用なら✔

自動化すれば、 「どっちが払った?」問題が一切なくなる のが最大のメリットです。


貯蓄と投資は“先取り方式”で共有目標を作る

共働き家計で一番大切なのは、 「将来の貯金をどう作るか?」 という点です。

おすすめは次のステップです。

① まず貯蓄目標を決める

  • 生活防衛資金(生活費6ヶ月~2年分)
  • 教育費
  • 住宅購入(頭金)
  • 老後資金

② 共通口座とは別に“将来用口座”を作る

2人で毎月積み立てれば、 「どちらがどれだけ貯めたか」問題も消えます。

③ NISAなどの長期投資を併用

投資は個人で行うより、 夫婦で計画して行うほうが長続きしやすいのが特徴です。


共働き家計でよくある“失敗例”

  • 生活費を片方だけが多く負担し続ける
  • 貯金をしているつもりが、実は片方だけだった
  • 相手の収入を知らない
  • クレカの支払いを個別にして家計が見えなくなる
  • 家計管理を話し合う時間を取らない

一度軌道がズレると、後から調整するのが難しいのが共働き家計です。 最初の仕組み作りがいちばん大事といえます。


まとめ:共働き家計は“仕組みがすべて”

今回のまとめです。

  • 共働き家計は3パターン(折半 / 比例 / 片方負担)
  • 収入比例型が最も公平で続きやすい
  • 3口座方式(共通+個人×2)がストレスゼロ
  • 固定費は自動化し、「どっちが払った?」問題を消す
  • 将来の貯蓄は先取りで共有目標を作る

共働きは“チーム戦”。 仕組みさえ整えば、ケンカも不公平感もなく、 むしろ 経済的に最強のライフスタイルになります。


共働き家計は、最初の仕組み作りが大事なんです。 お互いにムリなく続けられる方法を一緒に見つけましょう。