投資というと、どうしても「株式」や「投資信託」が思い浮かびますよね。 でも実は、世界の機関投資家や年金基金が多く保有しているのは「債券(さいけん)」です。
「債券ってなに?」「安全そうだけど、どうやって利益が出るの?」 そんな疑問を持つ人も多いと思います。
債券は、お金を貸して利息を受け取る“貸す側の投資”。 一見シンプルですが、金利と価格の関係を理解しないと損をすることもあります。
今回は、債券の仕組みと「金利が上がると価格が下がる」理由を、図解しながらやさしく整理していきますね。
債券とは「国や企業にお金を貸す」投資
株式が「企業のオーナーになる権利」なら、 債券は「国や企業にお金を貸す権利」です。
投資家(あなた)はお金を貸し、発行体(国・企業)は返済と利息の支払いを約束します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行体 | 国・地方自治体・企業など |
| 投資家 | お金を貸す側(あなた) |
| 利息 | 一定期間ごとに支払われる金利収入 |
| 償還 | 満期日に元本が返ってくること |
つまり債券とは、「元本+利息」を一定期間後に返してもらう約束の証書なんです。
主な債券の種類
| 種類 | 発行体 | 特徴 |
|---|---|---|
| 国債 | 国 | 安全性が高く、利回りは低め |
| 地方債 | 都道府県・市町村 | 国債よりややリスクあり |
| 社債 | 企業 | 信用力により金利が高めに設定される |
「安全性とリターンのバランスをとる」上で、債券はポートフォリオに欠かせない存在です。
金利と債券価格は“シーソーの関係”
債券投資で最も重要なのが、金利と価格の逆相関。 つまり「金利が上がると債券価格は下がる」「金利が下がると債券価格は上がる」という関係です。
なぜそうなるのか、具体的な例で見てみましょう。
例:利率1%の債券と、新しく発行される利率2%の債券
あなたが持っている債券が「年利1%」だったとします。
ところが市場の金利が上昇して、新しい債券は「年利2%」で発行されました。
このとき、投資家はどちらの債券を選ぶでしょうか?
- 新しい債券:2%の利息がもらえる
- 古い債券:1%の利息しかもらえない
当然、みんな新しい債券を選びます。 つまり、あなたの持つ「1%の債券」は人気がなくなり、価格が下がるのです。
逆に金利が下がると…
今度は市場金利が0.5%に下がったとしましょう。 すると、あなたの1%の債券は“高利回り”に見えて人気が出ます。 そのため、債券価格は上がるというわけです。
| 市場金利 | あなたの債券の評価 | 価格の動き |
|---|---|---|
| 上昇(例:1%→2%) | 魅力が下がる | 価格が下がる |
| 下降(例:1%→0.5%) | 魅力が上がる | 価格が上がる |
この「金利と価格のシーソー関係」を理解しておくと、 「債券のタイミング」を判断するヒントになります。
利回り(リターン)は3つの要素でできている
債券の収益を「利回り」と言いますが、実は一言で片づけられません。 利回りには3つの要素があります。
| 利回りの種類 | 意味 |
|---|---|
| 表面利回り | 債券に書かれている利息(クーポン) |
| 利息再投資利回り | 受け取った利息を再投資した場合の利回り |
| 最終利回り(到達利回り) | 購入価格と満期時の元本返済を考慮した総合利回り |
実際の投資では、最終利回り(Yield to Maturity, YTM)が重視されます。 「いま買って満期まで保有した場合、年間どれだけのリターンがあるか」を示す指標です。
【豆知識】長期国債の金利が経済ニュースで注目される理由
日本でも「10年国債利回りが上昇」などのニュースを耳にしますよね。 これは、経済全体の金利の“基準”だからです。
長期国債の利回りは、住宅ローン金利や企業の借入コストにも影響を与えます。 つまり、債券の金利変動は、家計にも企業にも波及しているんです。
債券投資のメリットとリスク
債券は「安全資産」と言われますが、当然ながらリスクも存在します。
| メリット | リスク |
|---|---|
| 安定した利息収入が得られる | 金利上昇で価格が下がる(金利リスク) |
| 満期まで保有すれば元本が返る | 発行体が倒産すると返ってこない(信用リスク) |
| 株式より価格変動が小さい | インフレが進むと実質価値が下がる(インフレリスク) |
つまり、「低リスク=ノーリスク」ではありません。 金利・信用・インフレという3つの要素を常に意識しておく必要があります。
まとめ:債券は「安定×金利感度」を理解して選ぼう
今回のポイントを整理しましょう。
- 債券は国や企業にお金を貸す投資
- 金利と債券価格は逆に動く(シーソー関係)
- 利回りは「利息+価格変動+再投資」で決まる
- 金利・信用・インフレの3リスクを意識する
債券は「株式より地味」ですが、ポートフォリオ全体の安定性を高める重要な存在。 特に不況時に強い傾向があり、資産の“クッション役”として力を発揮します。
次回は「投資信託の選び方(インデックス vs アクティブ)」で、 債券を含む分散投資の実践的な組み方を紹介していきます。

金利が上がると債券が下がるって、ちょっとややこしいですよね。でも仕組みがわかると“なるほど!”ってなります。焦らず一歩ずつ、経済の流れを体で覚えていきましょう!
チョキンとチョキン。 
