お金の知識中級編2 株だけじゃない、「債券」の世界をのぞいてみよう

投資というと、どうしても「株式」や「投資信託」が思い浮かびますよね。 でも実は、世界の機関投資家や年金基金が多く保有しているのは「債券(さいけん)」です。

「債券ってなに?」「安全そうだけど、どうやって利益が出るの?」 そんな疑問を持つ人も多いと思います。

債券は、お金を貸して利息を受け取る“貸す側の投資”。 一見シンプルですが、金利と価格の関係を理解しないと損をすることもあります。

今回は、債券の仕組みと「金利が上がると価格が下がる」理由を、図解しながらやさしく整理していきますね。


債券とは「国や企業にお金を貸す」投資

株式が「企業のオーナーになる権利」なら、 債券は「国や企業にお金を貸す権利」です。

投資家(あなた)はお金を貸し、発行体(国・企業)は返済と利息の支払いを約束します。

項目内容
発行体国・地方自治体・企業など
投資家お金を貸す側(あなた)
利息一定期間ごとに支払われる金利収入
償還満期日に元本が返ってくること

つまり債券とは、「元本+利息」を一定期間後に返してもらう約束の証書なんです。

主な債券の種類

種類発行体特徴
国債安全性が高く、利回りは低め
地方債都道府県・市町村国債よりややリスクあり
社債企業信用力により金利が高めに設定される

「安全性とリターンのバランスをとる」上で、債券はポートフォリオに欠かせない存在です。


金利と債券価格は“シーソーの関係”

債券投資で最も重要なのが、金利と価格の逆相関。 つまり「金利が上がると債券価格は下がる」「金利が下がると債券価格は上がる」という関係です。

なぜそうなるのか、具体的な例で見てみましょう。

例:利率1%の債券と、新しく発行される利率2%の債券

あなたが持っている債券が「年利1%」だったとします。

ところが市場の金利が上昇して、新しい債券は「年利2%」で発行されました。

このとき、投資家はどちらの債券を選ぶでしょうか?

  • 新しい債券:2%の利息がもらえる
  • 古い債券:1%の利息しかもらえない

当然、みんな新しい債券を選びます。 つまり、あなたの持つ「1%の債券」は人気がなくなり、価格が下がるのです。

逆に金利が下がると…

今度は市場金利が0.5%に下がったとしましょう。 すると、あなたの1%の債券は“高利回り”に見えて人気が出ます。 そのため、債券価格は上がるというわけです。

市場金利あなたの債券の評価価格の動き
上昇(例:1%→2%)魅力が下がる価格が下がる
下降(例:1%→0.5%)魅力が上がる価格が上がる

この「金利と価格のシーソー関係」を理解しておくと、 「債券のタイミング」を判断するヒントになります。


利回り(リターン)は3つの要素でできている

債券の収益を「利回り」と言いますが、実は一言で片づけられません。 利回りには3つの要素があります。

利回りの種類意味
表面利回り債券に書かれている利息(クーポン)
利息再投資利回り受け取った利息を再投資した場合の利回り
最終利回り(到達利回り)購入価格と満期時の元本返済を考慮した総合利回り

実際の投資では、最終利回り(Yield to Maturity, YTM)が重視されます。 「いま買って満期まで保有した場合、年間どれだけのリターンがあるか」を示す指標です。

【豆知識】長期国債の金利が経済ニュースで注目される理由

日本でも「10年国債利回りが上昇」などのニュースを耳にしますよね。 これは、経済全体の金利の“基準”だからです。

長期国債の利回りは、住宅ローン金利や企業の借入コストにも影響を与えます。 つまり、債券の金利変動は、家計にも企業にも波及しているんです。


債券投資のメリットとリスク

債券は「安全資産」と言われますが、当然ながらリスクも存在します。

メリットリスク
安定した利息収入が得られる金利上昇で価格が下がる(金利リスク)
満期まで保有すれば元本が返る発行体が倒産すると返ってこない(信用リスク)
株式より価格変動が小さいインフレが進むと実質価値が下がる(インフレリスク)

つまり、「低リスク=ノーリスク」ではありません。 金利・信用・インフレという3つの要素を常に意識しておく必要があります。


まとめ:債券は「安定×金利感度」を理解して選ぼう

今回のポイントを整理しましょう。

  • 債券は国や企業にお金を貸す投資
  • 金利と債券価格は逆に動く(シーソー関係)
  • 利回りは「利息+価格変動+再投資」で決まる
  • 金利・信用・インフレの3リスクを意識する

債券は「株式より地味」ですが、ポートフォリオ全体の安定性を高める重要な存在。 特に不況時に強い傾向があり、資産の“クッション役”として力を発揮します。

次回は「投資信託の選び方(インデックス vs アクティブ)」で、 債券を含む分散投資の実践的な組み方を紹介していきます。


金利が上がると債券が下がるって、ちょっとややこしいですよね。でも仕組みがわかると“なるほど!”ってなります。焦らず一歩ずつ、経済の流れを体で覚えていきましょう!