お金の知識中級編16 会社員の「税金の清算」は、年末調整でほぼ完結する

会社員・公務員の方にとって、毎年必ずやってくるイベントが 「年末調整」です。

でも実際には、

  • 会社が全部やってくれるんでしょ?
  • 何を提出すればいいのか毎年よく分からない…
  • ふるさと納税の書類ってここで出すの?

といった疑問が多く、なんとなく流れで終わらせてしまう人がほとんどです。

この記事では、 「年末調整とは何か?」 「どんな控除が受けられるのか?」 「準備すべき書類は?」 を中級者でも迷わず理解できるようにやさしく整理します。


年末調整とは「会社がやってくれる確定申告」

年末調整は一言でいうと、 会社員の簡易版確定申告です。

1年間の給与から天引きされてきた「概算の税金」を、 正しい金額に調整する作業が年末調整の役割です。

つまり、

  • 税金の払いすぎ → 還付される
  • 税金の払い足りない → 追加徴収される

という仕組みになっています。


年末調整で受けられる控除と、受けられない控除

✔ 年末調整で受けられる控除

控除の種類内容
生命保険料控除生命保険・介護保険の支払い分が控除
地震保険料控除地震保険の支払い分が控除
扶養控除子どもや扶養家族がいる場合
配偶者控除配偶者の所得が一定以下の場合
住宅ローン控除(2年目以降)1年目は確定申告が必要

✔ 年末調整では“受けられない”控除(確定申告が必要)

控除の種類理由
医療費控除年間10万円超で申告
寄付金控除(ふるさと納税)確定申告またはワンストップ特例が必要
雑損控除災害や盗難による損失
投資の損益通算・配当控除投資家は確定申告が必要

年末調整と確定申告の境界を理解することで、 「これはどっちだっけ?」という迷いがなくなります。


年末調整で提出する書類一覧

年末調整の際に会社へ提出する主な書類はこちらです。

書類目的
① 扶養控除申告書家族構成・扶養対象者を申告
② 保険料控除申告書生命保険・地震保険・介護保険の申告
③ 配偶者控除申告書配偶者の所得を申告
④ 保険会社から届く控除証明書実際に保険料を払った証明
⑤ 住宅ローン控除証明書(2年目以降)住宅ローン減税の適用

特に生命保険料控除は、証明書を紛失すると控除が受けられないため要注意です。


よくある“勘違いポイント”を先に知っておく

  • ふるさと納税の書類を会社に出す必要はない → ワンストップ特例 or 確定申告で処理
  • 医療費控除は年末調整ではできない → 確定申告が必要
  • 副業の所得が20万円超えたら確定申告 → 年末調整だけでは完結しない
  • 保険控除証明書の提出忘れが一番多い → 保険会社から届く書類を必ず保管

多くの人が勘違いしているポイントを理解しておくと、 年末調整がグッとラクになります。


年末調整後に“追加で”確定申告が必要なケース

次の項目に当てはまる人は、年末調整が終わっても確定申告が必要です。

必要な人理由
副業で20万円超の利益給与以外の所得があるため
ふるさと納税(寄付先6自治体以上)ワンストップ特例が使えない
投資の損益通算や配当控除を使いたい年末調整では対応していない
医療費控除を使いたい年末調整では不可
住宅ローン控除の初年度1年目は確定申告が必要

まとめ:年末調整は“税金の自動調整”で最も簡単な制度

今回のポイントをまとめます。

  • 年末調整は会社がやってくれる「ミニ確定申告」
  • 生命保険・地震保険・扶養控除などが対象
  • ふるさと納税・医療費控除は確定申告が必要
  • 提出書類をきちんと揃えれば難しくない
  • 年末調整+確定申告で税金を最適化できる

会社員にとって年末調整は、 「ほぼ自動で税金を調整してくれるありがたい仕組み」です。 仕組みを知っておくだけで、毎年の税金の不安がグッと減ります。


年末調整って、実は会社がほとんどやってくれるんです。書類さえ揃えれば大丈夫!一緒に税金の不安を減らしていきましょう!