「お金が働く」ってどういうこと?
前回の記事で、インフレによってお金の価値が目減りしていくことをお話ししました。
つまり、ただ貯金しているだけでは資産を「守る」ことすら難しい時代です。
では、お金を守るどころか「増やす」にはどうすればいいのでしょうか?
その答えの一つが「お金に働いてもらう」こと、つまり投資です。
投資と聞くと、ギャンブルやリスクのイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、正しい知識を持ち、長期的に見れば、
投資は非常に再現性の高い「資産形成の仕組み」です。
その中心にあるのが、「複利」という考え方です。
複利の力 ― 時間が味方する“雪だるま”のような成長
複利とは、「利息にも利息がつく」仕組みのことです。
つまり、お金を運用して得た利益を再び投資に回すことで、
資産が雪だるま式に増えていくという考え方です。
たとえば、100万円を年利5%で運用した場合を見てみましょう。
- 1年後 → 105万円
- 2年後 → 110万2,500円(利息にも利息がつく)
- 10年後 → 約162万円
- 20年後 → 約265万円
- 30年後 → 約432万円
同じ5%でも、「単利(利息を使ってしまう)」なら
30年後でも250万円程度にしかなりません。
つまり、複利の力を使うことで、時間そのものが資産を増やす味方になるのです。

R>Gとは? ― 資本が働く人の収入を上回る仕組み
次に、経済学の少し有名な理論を紹介します。
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏が提唱した「R>G」という式です。
これは、R(資本収益率)>G(経済成長率)という意味で、
「お金を持っている人が得られるリターンは、
労働で得られる収入よりも高い傾向にある」
ということを示しています。

つまり、働いて給料を得るだけの生活では、
物価上昇や社会保険料増加のスピードに追いつけないことも多く、
お金を運用する人としない人の間に差が生まれるということです。
この格差を生み出す根本的な理由こそが、先ほどの「複利」と同じく、
時間をかけて資本(お金)が働き続ける仕組みにあります。
15年以上投資を続けると、ほぼプラスになる
「でも、投資って結局リスクがあるんでしょ?」と思う方もいるでしょう。
確かに、短期的には上下の波があります。
しかし、米国の代表的な株価指数「S&P500」の過去データによると、
15年以上保有し続けた期間で元本割れしたことはほとんどありません。
(出典:J.P.モルガン「Guide to the Markets」2024年版)
また、全世界株式(MSCI ACWIなど)においても、
長期的には年平均4〜6%程度のリターンが得られています。
短期ではマイナスの年もありますが、時間をかければかけるほど、
複利の力がリスクを平準化してくれるのです。
「お金にも性格がある」
複利やR>Gを理解すると、お金にも「性格」があるように感じるようになります。
すぐに使えばそれまで。けれど、少しの間でも働く環境を与えてあげれば、
お金は文句も言わずに、コツコツと成果を積み重ねてくれます。
それが「お金に働いてもらう」ということ。時間という味方を得れば、
収入に限界のある「労働」よりもはるかに大きな成果をもたらすのです。
まとめ ― 投資は才能ではなく「時間を味方につける力」
資産形成で大切なのは、「タイミング」よりも「期間」です。
短期的な上げ下げに一喜一憂するのではなく、
時間の経過とともに複利を積み重ねていくこと。
そして、働いて得たお金の一部を“資本”として社会に預けていくことで、
あなた自身が「お金に働いてもらう側」になることができます。
複利とR>Gの考え方は、単なる投資テクニックではなく、
人生を長期的に豊かにしていく「思考の軸」です。

投資は、コツコツ続ける人が最後に勝つ。
焦らず、地道に、自分のペースで積み上げていきましょう!
チョキンとチョキン。
